カテゴリー別アーカイブ: ひまわりプロジェクト事務局

春休み栽培協力先訪問記 4

兵庫県洲本市 味きっこう代表:魚谷佳代さん 聖トゥラア拝学日本公会 藤森三千雄さん

 3月28日。洲本市は淡路島の東側にある町で、穏やかな海を背景にした観光の町です。ここに、非常食用の玄米保存食を作る「味きっこう」があります。シャロームの代表大竹静子のご友人である魚谷さん、藤森先生をお訪ねし、「ひまわりプロジェクト」のご説明を差し上げ、栽培のご協力をお願いしました。震災後の福島の様子から、少しずつ変化を遂げてきた現在の状況までをお話しし、全国でご協力を頂いている「ひまわりプロジェクト」の持つ意義や社会活動としての発展性についてご理解頂けたものと思います。

淡路島は明石海峡の地下14kmを震源とし、マグニチュード7.3を記録した兵庫県南部地震(阪神大震災)で大きな被害を受け、震災記念公園もあります。海に面しており、南海トラフ地震の懸念もあることから、これからも災害への備えが不可欠な場所と言えます。台風の影響で巨大な風力発電のタワーが倒れたニュースもありました。

「味きっこう」さんが作る保存食は玄米ご飯を用いており、その栄養価の高さから注目を集めています。NHKの朝ドラ「まんぷく」で注目された安藤百福賞や、防災食コンクールでの銅賞を受賞するなど評価も高く、全国で利用されているとのこと。魚谷さんのご配慮で温めた玄米保存食をお昼ご飯にいただきましたが、もっちりとした食感に韓国のりの塩味が効いて、大変おいしい保存食でした。

 ヘブライ語の研究者でもある藤森さんとご友人も一緒に話を聞いて下さり、さっそくひまわりの種を畑にまいてもらえるとのこと。温暖な淡路島でひまわりが咲きそろう様を想像し、集まった皆さんと一緒に、早くも幸福感に満たされた訪問となりました。

 兵庫県・淡路島は海も山も自然が豊かであり、震災の経験を共有できる点でも意義があります。夏休みの「ひまわり大使ツアー」で、子どもたちと一緒に訪問・交流できれば素晴らしいと考えた時間でした。

「味きっこう」さんを訪問してひまわりの種をお渡しする
「味きっこう」さんを訪問してひまわりの種をお渡しする

2019.04.30.ブログ原稿6 災害食大賞で同賞を受賞した低温熟成玄米ごはん 佳の舞
2019年度の災害食大賞「銅賞」を受賞した保存食 「佳の舞」

春休み栽培協力先訪問記 3

滋賀県大津市 音と花と人との会(とととの会)代表:髙橋佳緒理さん

3月26日。高橋さんとは、大津市の市民活動センターで待ち合わせ。ここは琵琶湖の湖畔にある複合施設で、子育て支援センターも入っているためか、駐車場のスペースやエレベーターが広い作りになっていました。関西の中でも滋賀県は子育てがしやすい所として知られているようですが、こうした施設の作りにもその一端が見えるような気がしました。湖畔には大型の遊覧船も泊っており、ゆったりとした雰囲気の町です。浜大津が終点の京阪電鉄は、一部、車と並んで道路を走ることでも有名です。

声楽家で音楽の教師もされている高橋さんは、障がいを持つ親子のための活動も行っていらっしゃいます。音楽と園芸を組み合わせ、心の安らぎや親の交流につながる活動を目指していらっしゃいます。昨年度、音楽を教えに行っていた中学校でひまわり栽培に取り組んでくださいました。新年度は、ご自身が立ち上げた「音と花と人との会」の園芸チームで種を配布して下さるとのこと。合わせて、音楽を教えに行く学校でも呼び掛けてくださる見込みです。この「音と花と人との会」の活動は新聞記事にも取り上げられており、高橋さんの活動の輪が広がるたびに音楽や花に関わる人が増え、温かなネットワークがつながっていく様子が分かりました。

このように、各地域で様々な市民活動に関わっている方々が感度良く福島からの発信を受け止めてくださり、ひまわりをご自身のご活動の輪の中に取り入れてくださることで更に意義が深まっていくのがわかります。ひまわりの種のひと粒は小さなものですが、そこから咲く花が全国にお住いの人々の目を楽しませ、それぞれのご活動にも潤いと活力をもたらしていく、、、。震災と原発事故をきっかけに始まった取り組みが、皆さまの手と心を通じて「良きもの」として広がっていく、、、。その様子を思い浮かべることで、今なお私たちの心に残る苦しみや辛さが、少しずつ溶けていくような、そんな気持ちがしています。

音と花と人との会ホームページ

音と花と人との会ブログ

 髙橋さんにひまわりの種をお渡しする
髙橋さんにひまわりの種をお渡しする

 音と花と人との会.高橋さん新聞記事
「音と花と人との会」の活動を紹介する新聞記事(3/22 京都新聞「ひと往来」コーナー)

春休み栽培協力先訪問記 2

京都市伏見区 ハートフル京都・羽束師 とうふう苑ハートフルデイサービスセンター 大出美幸さん

 3月25日、桂中学校を訪問したその足で伏見区へ移動し、とうふう苑ハートフルデイサービスセンターをお訪ねしました。毎年継続的にひまわりを植えてくださっている大出さんにお会いし、植栽している花壇を見せて頂きました。

 穏やかな春の日差しが気持ち良い午後で、お散歩のお年寄りが気持ちよさそうです。皆さん、笑顔が素敵で、おもわずこちらの頬もゆるみました。福島ナンバーの車を見て、ひまわりの花を思い出す方もいらっしゃり、多くの皆さんに楽しんでいただいていることを実感しました。

大出さんは、見事に咲きそろったひまわりの写真を準備して下さっていました。園芸がご趣味でもあるということで、毎年、上手に咲かせるのが楽しみだと語って聞かせてくださいました。ただ一つ残念なのは、花壇の内側に位置する食堂スペースからは花の背中しか見えないことだそうです。食堂からは太陽に透かして見える黄色い花びらがきれいなのでは?と、フォローを入れたくなりました。今日のように天気の良い日には、皆さん、お散歩がてらにひまわりの花を楽しんでくださるものと想像します。デイサービスに通っていらっしゃる皆さんも一緒に作業に汗を流し、やり甲斐や園芸療法として心の安定にもお役立ていただければ嬉しいと感じました。 

こうしてお住いの場所で、お仕事先でひまわりを植えてくださり、楽しみつつ福島につながってくださっているご様子を拝見し、活動の広がりがますます楽しみとなりました。

 ハートフル京都・羽束師とうふう苑を訪問
とうふう苑を訪問

2019.04.23.ブログ原稿4 ひまわりの写真を見せて下さる様子
ひまわりの写真を見せて下さる様子

春休み栽培協力先訪問記 1

京都市西京区 京都市立桂中学校 折野匡治校長先生 廣田龍哉先生 寺谷美咲さん(元生徒会長)

3月25日、京都市の桂中学校を訪問。ひまわり栽培に汗を流してくださった皆さまにご挨拶し、新年度用の種をお渡ししました。新たな取り組みとして、油を搾った後に残る殻を肥料として用いて頂くため、18kg入りの袋もお届けしました。元生徒会長の寺谷さんや顧問の廣田先生から、栽培を始めた経緯についてお話を伺いました。

 桂中学校では生徒の自発的な活動を尊重する校風が根付いており、生徒会が精力的に自治活動を行っています。その活動の一環として講演会を主催。福島から幼稚園児とその家族を夏休みに招く活動に取り組んでいる方を講師に呼び、活動を紹介してもらったそうです。その流れの中で「ひまわりプロジェクト」を知り、取り組みを始めたとのこと。生徒会が中心に進め、夏休みの水やりボランティアを募集したり、学校前のバス停に「福島をわすれない!」という看板を立てたり、じぶんたちが(ひまわりのように)「輝く瞬間」のメッセージを集めたりと、工夫を凝らして活動に幅を持たせ、楽しみながら取り組んでくださいました。先生方も生徒の自主性を重んじて温かく見守ってくださったとのこと。残念ながら台風の影響で種の収穫量は少なくなってしまいましたが、取り組んでくださったそのお気持ちが嬉しく伝わってきました。

 シャローム代表からのお手紙を校長先生にお届けし、福島からの感謝をお伝えすることができました。中学生ならではの発想力と、それに伴った行動力の素晴らしさに、感嘆の気持ちを抱いた訪問となりました。

 京都市立桂中学校での栽培の様子
京都市立桂中学校での栽培の様子

風化はどこから?

3月に関西地方を訪ね、栽培協力者さまに新年度用の種をお届けしてきました。関西地域では2018年度、33箇所で「ひまわりプロジェクト」に関わってくださっています。福島から遠く離れた地域では報道の減少と共に福島への関心が薄れ、ともすると忘れ去られてしまっているのではないか?との懸念があります。しかし、「ひまわりプロジェクト」にご参加いただくことで福島を身近に感じていただけているのではないでしょうか?種を植え、水をやり、花を楽しむその度ごとに、やがては福島に届く種を思い、福島の現状への関心に結びついていく、、、災害を忘れず、ご自身のために教訓を役立ててほしいというのが、プロジェクトに乗せた私たち福島からの願いです。

ひまわりを栽培して下さっている地域を福島の子どもたちがお訪ねし、交流の中で経験や教訓を発信。福島の今を知っていただくための「ひまわり大使ツアー」を今年度も実施したいと考えています。先日、福島県の補助事業「ふるさと・きずな維持・再生支援事業」に申請書を提出しました。

この補助事業は、風評や風化を払しょくするために情報発信を行うことを目的にしています。風評は経済システムの問題とも言えそうですが、風化は私たち一人一人の意識や心の問題です。この風化、遠い県外の問題かというと、実は足元の課題でもあります。震災から時間が経過するとともに大人でも記憶は薄れます。ましてや、当時幼かった子どもたちは震災当時の記憶を持っていません。今年小学校に入学した新入生は震災後の生まれです。福島に住む当事者である私たちも、実は内側からの風化にさらされているのです。ひまわり大使として県外を訪問する子どもたちは事前学習会で震災後の社会の歩みについて学習し、保護者から家族の体験を聞きます。それを作文にまとめて発表するのがミッションとなっています。

震災と原発事故の困難を乗り越えてきた方にお話をお聞きし、家族で振り返りの時間を持つ。そして知り得たことを発表し、聞いて頂く。栽培協力者さんの草の根ネットワークを通じて記憶をつなぎ、防災や減災に結びつけ、福島の今を知っていただく。この「ひまわり大使ツアー」を行うことで福島と訪問先が顔の見える関係でつながれ、福島の正確な現状理解とこれからの社会の行く末を見据える知恵となっていきます。ひまわり大使がお近くを訪問する際は、是非、交流の機会をお考えいただけましたら幸いです。「ひまわり大使ツアー」は計画が確定次第、お知らせしますので、ご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

※種送付に同封している「賛助会員」の会費やひまわり油『みんなの手』の売り上げは、こうした子どもプロジェクトの運営に使わせていただきます。
 事前学習で桃農家さんにお話しをお聞きする
事前学習で桃農家さんにお話しをお聞きする
 事前学習会で放射線について学習するひまわり大使
事前学習会で放射線について学習するひまわり大使
加布里小学校の皆さんがまいてくれたひまわりの前で2018himawari_taishi015
福岡県福岡市を訪問したひまわり大使 加布里小学校の皆さんがまいてくれたひまわりの前で

新年度が始まりました

福島市では春の名所として知られる花見山※の桜が満開になりました。皆さまのお住いの地域の風景はいかがでしょうか?

 震災と原発事故を契機とした「ひまわりプロジェクト」は、北は北海道、南は鹿児島県まで33都道府県に及び、各栽培協力先で様々に嬉しい役割を果たしてくれているようです。新年度が始まり、ひまわりプロジェクトにご参加くださいます全国の方々から、続々と種送付のリクエストを頂戴しております。既に160の個人・団体の皆様からご要望を頂き、全国に広がる笑顔のネットワークが今年も始まっています。

 「ご高齢の方が植えてくださっているひまわりを見るために小学生が集まり、一緒に栽培を楽しむようになった」、「耕作放棄地だったが、ひまわりがいっぱいに咲いて地域の人が集まるようになった」、「福島について調べ、栽培を楽しみ、収穫を送る、そのすべての作業が園児の学習になっている」といったお声。息子さんとの初めての植物栽培にと取り組んでくださるお母さん。収穫した種を送る袋いっぱいにひまわりの絵を描いて下さる幼稚園児の皆さん。生徒会が栽培を呼びかけ、夏休み中の水やりにボランティアで駆け付ける中学生たち。市内の学校に栽培を呼びかけ、種植えの際には技術指導に出向いて下さるお身体のご不自由な方々のグループ。来店されたお客様に種を配ってくださっているレストラン。イベントで説明し、種を配布して下さるグループ。組合員に呼びかけ、各営業所や施設でも栽培に取り組んで下さっている生協の方々。そしてご自身で育て、多くのご友人に種を配って下さる方々。福祉施設の方々、、、全国で様々な皆さまが「ひまわりプロジェクト」に関わってくださり、それぞれの地域でご自身たちのためにも楽しみ、役立ててくださっています。

集めていただいた種が健康に優しいひまわり油『みんなの手』に姿を変え、日本中の食卓でご賞味いただいています。お互いに楽しみ、支え合う活動が草の根で次々とつながっていく、、、こうした広がりは全て、最初に協力を申し出てくださった皆さん、そして一連の活動に関わりつづけてくださる皆さまのおかげと、改めて感激を深めています。核家族化の進展、高齢・一人暮らし世帯の増加、少子化などで地域の持っていた力が弱くなっています。こうした中、ひまわりを植えて頂くことで地域内の関わりが厚みを増し、お互いをに尊重し、支え合える社会へとつながって行きますことが、災害で混乱と孤立を不深めた私たち福島からの願いに他なりません。

 シャロームの仲間であるB型授産施設「ベーシック憩」では、種の計量・発送作業を進めています。皆さまのお手元に届く種には、福島からの感謝と連帯の心が込められています。その種が無事に育ち、時には鳥さんのお腹も満たしつつ、やがては美しい花を咲かせる、、、災害や厳しい天候が続いた昨年度のような年ではなく、穏やかで豊かな実りをもたらしてくれる令和のスタートとなりますことを願っています。

 種は5月中に植えて頂けますようにお願いしております。是非、楽しみながら関わっていただけましたら幸いです。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

※花見山 震災直後の春には誰も訪れる人がおらず、しんと静まり返った中の花景色でした。2年目も「桜の根元を保護する」ために閉鎖。3年目から一般公開が再開されました。散策路や生活道路が除染されたことから、今年も多くの観光客が訪れています。種の発送作業を行っている作業所「ベーシック憩」の窓の外を多くの観光バスが行きかう様に、少しずつ復興の歩みを進めている福島の春を思います。
花見山の様子
花見山の様子